大リペア&大MODに出していたYAMAHAのLBが帰ってきました!
<SPEC(☆:今回刷新箇所)>
製造年:1988年(推測)
Body:Maple(Top)&Alder(Back)
Neck:Maple+Mahogany
指板:Ebony
Nut:Brass
重量:4.1kg
☆Bridge:GOTOH 404BO-4
☆PU:Bartolini 9ST L/S
☆Pre-Amp:Bartolini XTCT
Control:Vol.,Balancer,Treble,Bass
☆KNOB:HATA
☆Jack:Switch craft
十代の頃、憧れのベースでもあったこれを入手したのが、去年の7月。ネックのコンディションが奇跡的に良好だった個体だったのも購入に踏み切った一因でした。
が、それ以外の部分は、手を入れないとちょっと使うには…的な劣化具合。
LBによくみられる事案でもある「ラッカー塗装」もネック裏やボディ底部などの溶けが結構進んでいて、これも再塗装しなきゃなぁという感じだったんですが、外見的な部分はまだ後回しにしても問題ない。問題だったのが、肝心の音を司る部分、そう、PUやらアクティブサーキットやらの電気系統。
アクティブサーキットはYAMAHAのベースによくみられる「基盤一体型」のもの。個人的にもこのYAMAHAオリジナルのサーキットを通った出音にはベース始めた頃から馴染んできていたため(最初に購入したベースがYAMAHA RBX-MS2S。その後に購入したベースがBB-NE2。その後にもRBX-850も所持履歴有)、好き嫌いが非常にわかれるこの「YAMAHAのアクティブのサウンド」自体にはそんなに悪い感情は持っていなくて…加えて言うならこのLBのアクティブサーキットの色つけは先述のベースとはやや異なり、意外にもオーソドックスな感じだったので、尚のこと「嫌だ!替える!」という感情もなかった。
が。
こいつが劣化により常時ノイズを発したり、基盤直付けのPOTのガリがひどかったりしていたもんだから、「こりゃあ交換するしかねぇなぁ」と。購入当時はそこまでひどくなかった上、LB入手の動機に「ノスタルジーを求めて」的なもんもあった=レコーディングや外回りで弾くことなく、あくまで自宅練習用&コレクションとして…入手したのもあったんだが、いざ手に入れて弾き始めると、これが取り回しも良いし弾きやすいし適度な重さだし、で…
これやっぱり「使えるベースに仕上げたいなぁ」
と。
それなら電気系統交換止むを得ず、的な。
そうなるとどのパーツにASSYするか、を検討する段階になるんですが、当初はEMGで組むつもりにしていました。楽器の性格的にもこれが最もふさわしいと思ったからです。ルックス面でもPUはマグネットが露出していないため、LBの元々のルックスをスポイルすることもない。
けど、結局熟考の末、バルトリーニXTCTとバルトリーニのPU、という「王道的な」流れのブツにしました。パーツが入手しやすかったのも一因ですね。
元々基盤がキャビティいっぱいに入っていたわけで、XTCTで配線を組み直したら、もうね、見違えるほどキャビティにスペースが! 笑
旧いパーツのうち、ブリッジもYAMAHA独自の開発によるものと思われる重厚なヤツで、現在出回っているパーツ的にはBABICZのブリッジ辺りに共通した趣だったんですが、細かな調整が非常にやりにくい感じだったので、ここも思い切ってGOTOHのに交換しました!これ、GOTOHのブリッジの中でも底面積(長さ)が大きい部類のものなんですが、これでも元のブリッジの方が若干大きいため、埋めたネジ穴が隠しきれなくてね、少しばかり露出しているんですよ。
ただ、後述しますが、このベース、時期をみてポリ塗装に再塗装する予定にしているため、これについては問題なし。ただこのブリッジで埋め穴を隠しきれないことがわかったことから、再塗装時に「シースルーバースト」系のものが選べなくなった 泣
当初の予定では再塗装時に「シースルーブルーサンバースト」かSpectorにも採用されている「シースルーバイオレット」系のものを指定しようと思ってたんだけど、それをやるとポコっとこの、埋めた箇所が見えちまって美観的に非常に残念になりますからねぇ…
あわせてノブもHATA製のものに交換しました。元々のを引き続き使っても良かったんだけど、HATAの質感の高さを聞き「試してみよっか」と…
これはもうね、大正解でしたね!
素晴らしいルックスになりました!
つか、LBを設計するにあたり間違いなく参考にしたと思われるSpectorの見た目に 笑、さらに近づいたような気がします! 笑
今回ひとつ、オリジナルのLBにはない機能を加えてまして、それは「アクティブバイパススイッチ」の追加です。よくある「Push-Pull式のPOT」での切り替えではなく、ミニスイッチでのON-OFFにしています。もうLIVEで弾くことはないだろうけど、あの頃の名残というか、俺、アクティブのベースにはこのバイパススイッチがないと不安でならん性格で…
何度か「本番中や本番前のゲネで電池消耗による音切れ」を経験しているため、仮に電気系統トラブルによるアクティブ不動となった時の逃げ道は、やはり持っておきたいんです。新しいはずの電池が放電等で急に寿命迎えることもありますしね。本番では何が起こるかわかりませんからね…ただしバルトリーニのPUの出力自体が元々小さめなのもあってか、パッシブにした際はアクティブ時よりぐっと音量が落ちます。あくまで非常用としての装備です。
とまぁそんなこんなで。
オリジナル維持こそ大事、的な側面では「もはやこれは外見のみLBでLBではない」的なことばかりしちまいました。が、さすがにここまでMODすると、サウンドの質感から何から何まで、元の質感からの飛躍具合がとてつもなくすごいです。普通に「使える」ベースに生まれ変わりました!
しかし、このMOD。
これが終着点ではありません。
塗装の溶けがひどい旨を最初に書きましたが、頃合いをみて再塗装を施します。元がラッカーなためスタンドを選ぶ難点が私的にはとても不便なため、再塗装では迷わずポリ塗装を選択し、管理もしやすいようにしたいと考えています。この時あわせてペグも小ぶりなものに刷新することになると思います。
それが終わったら、真に「Kei-T仕様のYAMAHA LB」が完成します!