2011年04月03日

廃屋

メンタル激悪の中、朝から私用で出かけてました。

私用先の近くに、かつて祖父祖母が住んでいた母屋があります。祖父祖母とも既に他界しており、加えて山の麓に断っとるそこは、祖父祖母存命中に崖崩れに巻き込まれる恐れが指摘され、両者とも晩年は平野部に移り住んでいたため(ついでに言うとその山の上にあった先祖代々の墓もすべて下に引っ越しとなった)、母屋がガラガラになってもう干支一回り以上経っとるのではないかと…

俺がいつも不思議に思うことに、家に人が住まなくなると何故こんなにもボロボロに朽ちていくのか、というのがあり…たとえ今にも倒れそうなボロ家でも人が住んどる間はまったく普通に生活を営む処として、外見も含め機能している。がひとたび人が離れると、外壁は朽ち、中の空気はカオスな様相を呈し、そしてボロボロに…先述のとおり、住んでればどんなボロ家でも朽ちずに存命しとるのに、これは本当に不思議に感じます。

いろいろあって…特に失業以降というもの、俺は家族とも親族ともうまくいっとりません。軋轢に苛まれ潰れる限界近くのところにいる現状にあります。それもあって、近年そこに出向いて墓参りというものをしたことがなかった。ちょっと山に入った辺りに母屋も墓もあるから、尚の事。

今日そこの近くに私用があったこともあり、その祖父祖母の墓参りに、実に5年ぶりぐらいに出かけてきました。

そして当然の流れながら、廃屋となった母屋も5年ぶりに訪ねることに…

廃屋
5年の月日は、本当に残酷なものです。
この写真でみられる母屋、見た感じ普通のように見えるでしょうが、敷地内に入ったら一転、合板の壁が至る所で朽ち腐り剥がれ落ち、ボイラーはサビダルマ状態、トタンは散乱、スズメバチの巣のあと(それも年月を経て朽ち果てている)が至る所の軒先に、ガラス越しに中をうかがうと積まれた布団やらはボロボロ、畳はUの字に彎曲、そして言うまでもなく、敷地内は草ぼうぼう…

祖父祖母の母屋ということで、言うまでもなく俺は小さい頃よくここに、親に連れられ帰省してました。盆休み・正月休みなど、自然豊かなこの場所で、川遊びや山遊びを満喫し、この母屋の中でも家族親族そして祖父祖母との思い出のシーンやその場の匂いとかが、今でも鮮明に思い浮かんできます。

そんな場所も、人が住まなくなって手が入らなくなると、一気に荒んでいくんですね…解体費用とかを考えると、なかなか解体に踏み切れんのでしょうが、それはイコール、このまま日光風雨雪そして時間が、この母屋をじわじわと蝕んでいくということを意味しています。

かつて夏場には必ずバーベキューをたのしんでいたフジ棚も、見るも無惨な倒壊ぶりで、複雑な気持ちになりましたね…

この種の廃屋や廃墟っていうの、個人的には嫌いじゃないんだけど(爆)、そんな俺をもってしても、敷地内部の荒みぶりを写真におさめるのは躊躇われたぐらいの、荒みぶりでした。

でも、これが現実なのです。
思い出の景色は大事にしたいけど、その思い出の果てにこういう景色があるという現実は、受け止めなければなりません。人間、綺麗事だけでは生きていけない。

今の俺の心や置かれた立場の状況と、オーバーラップするもんがありました。

俺も今まさに、何から何まで朽ちていってる最中ですからね…


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