2011年05月04日

支援の術

今日はネット三昧でいろいろとMacに向かっとるわけですが、そんな中俺にとっては超ド級の(大きな)TOPICが飛び込んできた。

東日本大震災 ストラディバリウス売って支援の寄付金
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110428-00000030-maip-soci

<以下、記事原文>
東日本大震災の被災者支援に所有するバイオリンの名器を役立てたいと、日本音楽財団(塩見和子理事長)は28日、ストラディバリウス1丁を英国で6月にオークションにかけ利益を寄付すると発表した。イタリアのクレモナで1721年に製作されたもので、楽器を演奏家に貸与する同財団が所有する21丁の弦楽器の中では最高クラス。詩人バイロンの孫娘が一時期所有していたため「レディ・ブラント」の名があり、作られた当初の形をほぼ完全に残している。

 ストラディバリウスは通常、2億~4億円で取引されているが、特別のものは10億円を超すこともある。塩見理事長は「落札価格は予想もつかないが、今回の特別の意味を理解していただけると思う」と期待する。オークションはロンドンで6月20日、弦楽器専門商のタリシオで行われる。
…………………………

今回の震災に関しては、既報のとおり、各方面から多くの支援がよせられています。中でもニュースの話題となってるのが、この種の「チャリティオークション」の類い。先日もYOSHIKI氏が自身のトレードマークと言うべき、クリスタルピアノを出品→落札代金全額寄付というということで話題になりましたね。

さて。
今回のストラディバリウス売却の報。

個人的には結構複雑な想いを抱いています。

批判を覚悟で書きますが…

大震災復興のために起こされる支援のアクション。大事だと思うし、人として支援の手を差し伸べることは必然の流れでしょう。復興のために必要なものを考えた時、真っ先に資金というのがくるのも然り。なので義援金寄付に関しては勿論のこと、チャリティに関しても俺は批判するつもりは毛頭ありません。被災地からすれば心底ありがたいことだと思います。

だがさすがに…値段も付けられないような、それこそ骨董的価値のある(今回出品される「レディ・ブラント」は殆ど未使用の極上状態にあるため尚の事)歴史的資産価値のあるものを、義捐金化の対象にするのには、さすがに抵抗を感じます。

言い換えれば、国宝とかを現金化して…というのと等しい、いやストラディバリウスは西洋のモノであるからそれ以上でしょうが…非現実的な&あっちゃならんことのように感じています。

復興に確かにお金は必要でしょう。
けど、さすがにここまでエスカレートしてきているチャリティの現状を見ると…支援の術はただ何でもかんでも現金化すればいいってもんじゃないようにも思えるわけです。

別記事をみると、日本音楽財団の理事長は「今回の震災を世界にアピールしたい。東北の復興支援のために使ってもらいたい」と語っとられますが、そのためにとる手段が後世不出のヘリテイジ売却となると、その一言に対して何か大きな違和感を感じずにはおれんのは、俺だけでしょうか…そんな軽々しいことばで取り扱っちゃいかんと思うわけです。楽器に対しても、制作者ストラディバリに対しても、そして何より被災地に対しても、非常に失礼なように感じるんです、このひとことは。

支援すべきところは支援しつつ、先人から受け継がれたまもるべきものはまもらねばならない。それもまた人として、そしてこのような歴史的資産をあずかる組織として果たすべき責務だと感じるのです。


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